さて、1回目の内容は「日本食研 実業団トライアスロン部の選手、スタッフ(監督、コーチ)の待遇」についてです。少し込み入った話になりますが、お付き合いください。
わがチームは1998年の創部以来、トライアスロン界では数少ない『実業団』という体制を維持しています。創部当初から「選手は正社員雇用」ですが、その内容は現在と全く違っていました。選手も定時勤務。練習は業務時間外。レース出場も休日扱い。環境的には社内にいくつかあるサークル活動とほぼ同じでした。そこから今に至るまで試行錯誤しながら手作りで徐々に現在の制度を創り上げてきました。細かい部分は省略しますが、主な仕組みを列挙してみます。
■正社員雇用
選手、スタッフとも日本食研ホールディングス株式会社の正社員として雇用されています。したがって、給与、賞与(選手は別途報奨金制度)、福利厚生などは全て他の社員と同じです。年1回の昇給もあります。主な福利厚生や制度は以下の通りです。
借上げ社宅制度、各種社会保険、社員旅行(国内・海外)、有給休暇、退職金制度、定年制度(65歳)、従業員持株制度、通信・社員教育制度など
■競技時間と仕事内容
レースの遠征、合宿などを除いた会社の実働日のうち、約半分は「強化練習日」として終日、練習と調整を許可された日となっており、会社に出社しません。残りの日が「出社日」として半日、会社に出社します。岩本選手は出社日の午前中は情報システム部で業務を行っています。
出社日の具体的なタイムスケジュールは公式HPでご確認ください。
http://www.nihonshokken.co.jp/tri/team/timeline.html
また、競技活動も会社の「広報活動」として認められているため、合宿やレースなどは原則出勤扱いです。移動の交通費、宿泊費はもちろん、宿泊を伴う場合は会社規程によって出張手当が支給されます。
■報奨金制度
選手には、他の社員が年2回支給される賞与はありません。賞与の代わりに報奨金制度があります。したがって、レースの結果で大会主催者から支給される賞金とは別に会社から報奨金が支給されます。支給される金額は、成績、レースのカテゴリーなどによって異なります。
■サポート
予算制で上限はありますが、選手が使用するギア、ウエア、練習施設(プール、陸上競技場、トレーニングジムなど)など競技に必要な費用は原則、会社が負担します。最近では、選手のコンディションづくりのサポートも強化しており、トレーナーによる定期的な治療、血液検査、スポーツ栄養士による食事指導、スポーツ科学の専門家によるコンディション分析・指導なども行っています。
■現役引退後の処遇
これが実業団チームの一番の特長だと思います。現役を引退した選手は日本食研グループ14社の中で社員として仕事を続けることができます。職種、勤務地は様々ですが、選手の引退後のセカンドキャリアについては、会社も本人の希望を最優先してくれるので、過去の事例では全て本人の希望通りの仕事に就いています。
現在の待遇は、先輩たちの成果と努力の結果です。
これからもさらに選手たちがトライアスロンに正面から向き合い、集中できる環境にブラッシュアップできるようスタッフの頑張りも必要ですし、選手たちの活躍も期待したいと思います。
※写真は、2011年の日本食研グループ創業40周年記念祝賀会にて。チームオーナーの大沢会長と。
※本日1月21日はチームにとって忘れられない日です。合掌